(写真は、1989年5月26日に発売されたDragon Warriorのパッケージ)
「ドラゴンクエスト」の海外訳は「Dragon Warrior(竜の戦士)」海外では日本人が考えたタイトル名はそのまま使えない?
ヤフーニュースにゲーム関する話題で面白い記事があるので紹介しよう。
日本人の考えた「かっこいい」タイトルは海外では意味不明?
マンガやアニメ同様、ゲームにも言葉の壁は立ちはだかる。ゲームは'80年代頃から海外で翻訳、発売されることが増えたが、その際、海外の版権(商標)や文化にあわせるため、タイトルや中身が大きく変えられてきたという。
「一番大きな“変訳”の例は、日本で国民的ゲームとなっている『ドラゴンクエスト』です。'89年に発売の初代から'01年に発売の7作目までは、海外で商標が確保できなかったため、『Dragon Warrior(竜の戦士)』というタイトルに変更されていました」(ゲームライター・ゲーム脚本家/柿崎俊道氏)
タイトルだけでなく同時に中身も改変。『ドラゴンクエスト』の中核をなす伝説の勇者「ロト」の名前は「Erdrick(エルドリック)」に変更された。これは旧約聖書に登場するロトとの類似を避けたため。海外のゲームのパブリッシャーは宗教、そしてナチスドイツに関することに過敏で、オリジナルとはまったく違う内容になってしまうこともあるのだ。
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【日本の名作「海外珍訳・誤訳」コレクション】日本人の考えた「かっこいい」ゲームタイトルは海外では意味不明? まさかドラゴンクエストの勇者ロトの名前がエルドリックに変更されているとは知りもしなかったが、旧約聖書に登場する「ロト」は知っている。
旧約聖書の『創世記』に登場するロトはアブラハムの甥にあたる。アブラハムと一緒に古代エジプト、カナンと旅をしていくのだが、そのうちソドムに移住する。
ソドムに移住したロトは、天使からソドムとゴモラを滅ぼすことを決定したこと聞かされ、ロトは妻と娘たちを連れて、脱出するのだが、その脱出のさいに、「決して後ろを振り返ってはならない」と命令されていた。しかし、ロトの妻は後ろを振り返ってしまい、「塩の柱」となってしまう有名な物語である。
確かに勇者ロトというのは、外国からすれば、創世記の「ロト」を思い浮かべるだろうし、宗教観も日本とは異なる。
だが、最近は日本のメーカーも海外進出を視野に入れていることが多く、日本でヒットしたゲームが海外でも輸出されて、ヒットするというのは珍しくない。逆に「メタルギアソリッドシリーズ」のように、海外では絶賛されて、日本では海外よりは売れなかったゲームソフトなどもある。
これからは海外に輸出するのも前提にタイトルもキャラ名も考える必要がありそうだ。だから、スクウェア・エニックスのFFシリーズは「7」から、主人公の名前は天気で統一されているんだろうか。中々、興味深いことではある。
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