大震災の影響で部品調達が困難に。一部の地域でしか発売しない?
ソニーが年末に発売を予定している次世代携帯ゲーム機「NGP」の世界的な発売を延期するかも知れないと、5日のブルームバーグ紙で、ソニーコンピューターエンタテイメントのアメリカの社長、Jack Tretton氏が述べている。同記事によれば、日本で3月11日に起きた関東、東北大震災の影響で、部品の調達が困難だという。
Jack Tretton氏は、アメリカ、アジア、ヨーロッパなどの年末シーズンに間に合わせる代わりに、一部の地域でしか、NGPを提供することができないかもしれないと述べている。この一部の地域がどこかという具体的な場所の言及には避けている。
また、世界的な展開を縮小したソニーは、携帯ゲーム市場で、任天堂の遙か後方に置かれる脅威になるかも知れないと、ロサンゼルス、Wedbush Securities証券、ビデオゲームアナリスト、Edward Woo氏が述べている。その理由はニンテンドー3DSが、この2ヶ月で、日本、アメリカ、ヨーロッパで発売されたからだという。
Edward Woo氏は、すでに任天堂ほぼ8ヶ月遅れていることを指摘して、今回の延期でさらにそれが後押しされることを指摘している。
Point of view
一部の地域というのは、おそらく日本のことだと思われるがまだわからない。今回はそれよりはEdward Woo氏の述べた懸念について少し考察してみよう。
現在の3DSの世界的な売上台数はこうなっている。
日本 3月末までに80万台 (2月26日発売)
欧州 初週で30万台 (3月25日発売)
アメリカ 初日過去最高販売数を記録(3月27日発売)
以上、このような感じになっている。
アメリカの初週の売上はまだ明らかにされてないのだが、全部で150万台ほどにはなると予想しておく。任天堂の目標としては、3月末までの世界販売目標は400万台なので、かなり販売目標を下回っていることは明らかだ。
なので、Edward Woo氏の懸念事項はそれほど的を射ているかどうかと言えば、そうではない気がする。ハードウェアだけを先に出しても、魅力的なソフトウェアが揃わなければ、いくら話題のニンテンドー3DSであろうが、立ち上がりは苦しい展開を迫られているのは数字を見れば一目瞭然である。
NGPの延期で、任天堂にさらに遅れを取るのは事実ではあるが、延期した分、魅力的なロンチタイトルが揃うなら、それはそれで購入者とっては、決して悪くはない話だ。しかも、日本の地震の影響でこうなっているのなら尚更だ。
もう一つ指摘しておくことは、今、日本はモンハン3rd効果で、PSPが非常に品不足状態となっている。つまり、まだまだ需要があるということだ。
なら、PSPの需要を見ながら、NGPの発売時期を再度検討するのもそれほど悪くない。クリスマス商戦に間に合わせたい気持ちもわからないではないが。
以上の理由から、NGPの発売延期が任天堂の遙か後方に置かれる脅威に対して、それほど深刻な影響はないと思われる。ニンテンドーが今年のクリスマス時期にマリオ、ポケモンでも出してくると話が変わってくるかも知れないが。
詳細ページ
[PR]