ソニー元社員、プレステ発明対価一億円を要求、支払われたのは512万円
ソニー元社員が、ソニーの家庭用ゲーム機「プレイステーション」に使用された装置を発明した事について、同社に発明対価の一部として計一億円の支払いを求めた裁判で、2010年8月19日、同社に元同社社員へ約512万円の支払いを命じる控訴審判決が下された。
ソニーに対し、対価の支払いを求める裁判を起こしたのは同社元社員の久米英広氏(58)で、同社へ、家庭用ゲーム機「プレイステーション」などに使用された、ソフトの情報を読み取る装置に関する発明対価として一億円の支払いを求めていた。
知財高裁の控訴審判決
塚原朋一裁判長は請求を退けた1審東京地裁判決を変更、同社に約512万円の 支払いを命じた。久米氏はソニーに昭和49年に入社し、平成16年に退社。開発時は係長だった。ソフト情報の読み取り装置はプレイステーション、プレイステーション2などに使用された。
判断のポイント
塚原裁判長は、「原告の開発した装置がプレイステーションに使用され、同社は利益を得た」と判断。
原告側は、同社と開発者側の貢献度を半々と主張していたが、裁判長は、開発側の貢献度を3%とし、支払額を512万と算定。
今回の判決について
久米氏は、裁判所に貢献度を認めてもらったことには満足しているようだが、金額については何とも言えないとしており、ソニー広報担当は誠に遺憾としている。
今回の判決は、512万円が少なかったのか、それとも、そもそも貢献度があったとして、社員に対価を支払う事そのものを、裁判所が認めるべきではなかったのか。賛否が分かれそうだ。
ソニー・コンピュータエンターテイメント
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