RPGには「システムが生むお金」と「システムが消すお金」の2種類がある。こういう裏話は意外と楽しい!
ニコニコ生放送の一つドラゴンクエストⅩオンラインの公式番組「ドラゴンクエストX TV」というものがある。これは毎回、隔週ごとに放送されており、ゲームで遊んでいるプレイヤーにとっての一つの楽しみとなっている。
その中でも、面白いのが今後のアップデート情報だったりするわけだが、それ以外にも様々な視点からドラゴンクエストⅩオンラインを楽しむ方法が紹介されている。しかも、中々聞けない裏話もある。
それが、今回紹介する「ディレクターリアル夜話2」である。担当はドラゴンクエストⅩのディレクターである藤澤氏。
お題がすでに「アストルティアは、カネトルティアなのか?」といきなり核心をついた話である。では、見ていこう。
アストルティアは、カネトルティアなのか?「カネトルティア」の説明いらないですよね?なんでもお金が掛かるアストルティアのことを、ちょっと可愛い感じに言ってみた言葉です。(こういう面白い言葉を考える人間が藤澤は大好きです)
どちらかと言えば、1点目よりもこちらのほうがどう話したものかと悩みました。というのも、この問題については、どう説明をしたところで万人の理解を得られる結論に到達し得ないと、話す前からわかっていたからです。
なので、結局これしかないのですが、1点目と同様に、理解を得られることを計算して話すのではなく、自分たちの考えを正直に、率直にお話ししようと思いました。
ここで大事なのがこのように回答は万人が納得するような結論はないということだ。当然、違った意見もあるだろう。ただ、これを説明するか、していないかでは今後の運営やアップデートを見ていく上では大きく違ってくる。
なぜなら、追加されるコンテンツはどのような目的で作られているかがわかってくるからだ。これも後で出てくる。
RPGで大切なお金の需要と供給バランスRPGには、「システムが生むお金」と「システムが消すお金」の2種類があります。
「システムが生むお金」とは、モンスターを倒して得られるゴールドや、同時に落とすアイテムなども含まれます。「システムが消すお金」とは、ゲーム内の施設を利用した際に支払うゴールドなどです。宿屋や、武器屋で武器を買うために支払ったゴールド。全滅時のペナルティのゴールドなども含まれます。
で、従来のRPGでは、この「システムが生むお金」と「システムが消すお金」が、「≒(ニアリーイコール)」、つまり、大体同じくらいになるようにバランスを取ります。「システムが生むお金」が多すぎれば、お金が余ってつまらない。「システムが消すお金」が多すぎれば、全然お金が貯まらずつまらない、となるわけです。
RPGのゲームバランスというのはレベルアップによるステータス上昇速度の他に、敵の強さなどがある。そして、お金を貯めて買うことができる装備などがあるわけだ。
だから、ドラクエⅠの主人公は王様から、旅立つのに50Gしかもらえない。仮に、これが1万Gもらえたら、かなりの良い装備が買えてしまうからだ。このようにRPGでもらえる所持金が少ないのはゲームシステムによるところが大きい。
そういう意味で気になったのが回復魔法「ホイミ」のMP消費である。昔のドラクエだと消費3だったのが、今では消費2で使用できることが多い。たかがホイミだが、この消費1減ったことは非常に助かった。
このようなゲームバランスは本当に作っている人による感覚でしかない。どれが最適なのかは個人で異なるからだ。そういう意味では堀井雄二氏が作ったドラゴンクエストのゲームバランスは抜群だといえる。同時期というよりは、ドラクエ以降のRPGと比べればすぐにわかる。
ただ、ドラゴンクエストⅡのゲームバランスは難しすぎたという意見もある。確かにラスボスが強いし、ロンダルキアの洞窟は難しいし、水門の鍵を見つけるのは苦労した記憶はある。そういうこともあるが、クリアできないバランスではない。
このように藤澤氏はまず、従来のRPGにおける「システムが生むお金」と「システムが消すお金」が、「≒(ニアリーイコール)」、つまり、大体同じくらいになるようにバランスがいいと説明している。
では、これがオンラインになるとどうなるのかを次回見ていく。
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