幻のプロジェクト。なぜ実を結ばなかったのか
海外のゲームサイト、ポケットゲーマーが任天堂とノキアに関する興味深い記事を掲載しているので紹介しよう。世界一のゲーム会社、任天堂とフィンランドの携帯電話メーカーNOKIAが共同で「ゲーム機能を持つ携帯電話」を開発していたという。
この動向はソニーが開発しようとしているPSP携帯にも影響するかもしれない。それにしても、その後、ノキアの現状を見れば、任天堂は時代を読んでいたということになる。
開発は2000年代初期まずは気になる原文を読んで頂きたい。
A development source, who preferred to remain anonymous, has revealed that there was a skunkworks R&D project run by Nokia and Nintendo in the early 2000s - about the same time Nokia was working on its original N-Gage phone.
訳 発信源(その人は匿名のままであるのを好んだ)は、2000年代初期にノキアと任天堂によって、研究開発部門R&Dプロジェクトが立ち上げられていたことを明らかにした - ほぼ同時期に、ノキアは、そのオリジナルのN-Gage phoneに取り組んでいた。
The R&D efforts, which were located at Nintendo's Japanese HQ, were successful enough that the concept of a Nintendo phone was taken to the company's board of directors for approval.It was rejected.
訳 研究開発の努力は(日本の任天堂のHQに位置する)十分に成功してけれども、承認のために、任天堂の携帯電話のコンセプトが、会社の取締役会に提出された。それは拒絶された。
記事によると、すでに開発は成功したが、承認を得るため、任天堂の取締役会が提出したが、取締役会がNoを出したということらしい。
At the time, Nintendo was starting work on what became the DS, and presumably thought a dedicated portable console made more sense.
訳 その時に、任天堂は、DSになることの研究を始めていて、おそらく、専用の携帯用のコンソールがより多く意味をなすと考えた。
DSが出たのは2004年の12月2日。このプロジェクトが2000年初期。つまり、任天堂はゲーム機をつけた携帯電話より、携帯ゲーム機として特化するほうが市場拡大を見込めると判断していた。結果、DSは世界で1億二千万台以上の売上を誇っている。
iPhoneも一億台だが、どちらに軍配が上がったのか。この判断は難しい。今後、携帯ゲーム機市場が、任天堂DSの独断を許さない状況になるとも考えにくい。なぜなら、任天堂はすでに3DSを発表している。
iPhoneでは、3DS以上の機能は作り出せない。任天堂がこうした先手を打ったのは,アップルの猛追を退けるためだったのかもしれない。まあ、ノキアと共同開発を止めたのは正解だ。結局、NOKIAが開発したN-Gageは失敗に終わろうとしているからだ。
その後、記事を読んでいくと任天堂の考え方は保守的だということが出ている。また3DSにも触れている。
ただ、任天堂が保守的だというには異論を挟みたい。なぜなら、任天堂3DSの前に、任天堂は「バーチャルボーイ」を出しているからだ。結果は売れずに終わったわけだが、任天堂が保守的ならこのような挑戦はしていないだろう。
DSの爆発的なヒットも、様々なゲームソフトの世界的なヒットも保守的なアイデアだけで産まれたとも考えにくい。
PSP携帯が噂になっているわけだが、任天堂は開発しても売らなかった。ソニーは売りに出すのか。中々、先が気になる話になっている。
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