原因は為替差損。円高で252億円の赤字
世界のゲーム機首位の任天堂が、29日発表した4-6月(第1四半期)連結決算によると、純損益は252億円の赤字となった。前年同期は423億円の黒字。主な原因は、為替差損、円高にあるようだ。
3DSの発売日が来年という見通し任天堂がE3で発表した「任天堂3DS」は、E3において高く評価されたわけだが、多くの投資家の見方では今年の発売はないという見通しだ。せっかくの発表の期待感も、日々、急激に変化する為替レートの逆境を跳ね返すには至らない。
さらに、DSの値下げによる売上減などもあり、売上高は同26%減の1886億円。営業利益も、同42%減の233億円となった。
本当の原因は違法コピーにある実はこれだけではないと思われる。最近の任天堂の気になるニュースとして、オランダとイギリスでマジコン販売を違法という裁判の判決がある。
任天堂がこうした違法コピー対策に力を入れているのは、違法コピーが蔓延してしまっている状態があるためだ。DSやPSP用のゲームソフトの国内被害額は2004年~2009年の6年間で約9,540億円、世界の被害額を推計すると約3兆8,160億円にも上るという。
これだけの被害額がでている現状があるために、任天堂3DSでは、かなりのコピー防止策が取られると言われている。しかし、すでに任天堂DSにおいては、マジコン対策をやっても、ソフトが発売されたその日のうちにコピーガードを抜けられてしまうという悪循環がある。売上に劇的に響いてくる被害額なのは言うまでもない。
学生の間でも浸透しているマジコンの違法コピー問題の根は深い。早急な対策が打てないと世界中に商売する任天堂において、為替差損より、とんでもない被害を及ぼすことになる。
違法コピーがゲーム業界に与える影響も甚大である。こうなってくると、学校やPTAなどの地域での取り組みも必要であろう。
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